深呼吸の必要
北大経済学部の吉田文和教授にお逢いしました。
研究室に入る時、とても緊張しましたが、北海道のこれから、震災のこれからについて語る吉田教授は、とても温和で、情熱的でした。
「どういった話を聴きたいのですか?北海道新聞に掲載されたぼくの記事について?」
「え?す、すいません。何も文献は、読んでないんです(すごく失礼だったのです!)。」
「そうかい?(全く気にせず)そのことではないんだ。なんだろう。」
「何から質問してよいのかわからないくらい、物事がわからないけど、このままじゃいけない、というあせりがあるんです・・・。」
恥を捨てて率直に言ってみました。
首をかしげながら、なんとか説明についていくわたしに、
「学生にもこんな風に話したりするよ。」(たぶん違うと思う。)
と、より簡単な表現で、根気強く、丁寧に原発や電力、自然エネルギー、経済について説明してくれました。
「そんなにみんな、考えてることは違わないんだよ。」
わたしは、はっと顔を上げました。
「安全で、そして、安心なエネルギーがいいし、今の生活レベルを維持したい。どうしたらいいのか、原発を使用しない方法はないかな、と。ただ、原子工学は必要だよ。原発を作ってしまったから、半永久的に見守る必要があるし、核廃棄物の処理はどうするのか、課題がたくさん残されている・・・。自分たちの足で、泊原発を見学してみるのが大切だよ。実際に動いてみること。ぼくの学生にもよく言うし、フィールドワーク的なことをしようと思っているよ。」
わたしは、大きく深呼吸をして、これからだな、と再度思いました。
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