愛国心

「愛国心」

いのちを育む国を　愛する。
赤ん坊が　裸のまま眠る国を　愛する。
よわくて　やわらかい　あなた
赦され　ここにいる　わたし
そのまま　朝をむかえる国を　愛する。

愛される人に　なりなさい。
価値あることを　しなさい。
そう　求めるならば
わたしも　あなたに　問う。

　
愛されるに　値する国になろうと　
語る日を。　　

手を動かしながら　紡ぎだす日々の色彩を
ありきたりに　平和と名付けるのなら

あくびに　かき消されるその営みを
退屈だね、と　足を投げ出し　ため息をつく。
乱暴で安らかな　未来ある国を　愛する。

みんな同じ。
なのに　あなたは　あなたしかいない。
その事実にだけ　突き動かされる国を　愛する。

身を焦がす恋なら　いつまでも待てる
真実の痛みなら　喜んで受ける
真直ぐな　あなたのいる国を　愛する。

もう少しで産まれる君が　愛する国。
愛する喜びを　地面から沸き上がらせる国。
わたしたちが　わたしたちを愛して止まない国。
わたしたちの　その国を　愛する。