ひきこもり 不登校 

昨日は、とても有意義な学習会でした。
田中先生の話は、一本の筋が通っていてわかりやすく、当事者や家族や関係者にとっても充実した内容でした。先生ご自身が、ひきこもりの経験者で、現在たくさんのひとと関わりながら、活動されています。おおげさでも、悲観的でも、美化されているわけでもなく、「ふつう」の話がたくさんできたと思います。
010年3月31日 北海道社会福祉研究機関誌第30号掲載
田中 敦「『引きこもり』の解決とは何かを問い続ける」pp.50-59

[要旨]
 引きこもりとは、社会的な影響を帯びながらも重層化した引きこもり親子関係の感情の上に形成されていることであった。そのプロセスを理解し、整理し、次にいかすことが求められた。また引きこもり支援にまず必要なものは、就労支援ではなかった。それよりもむしろ社会化機能が必要であり、そこでの有意義な仲間づくりを通して達成感や自己充実感を蓄積していくことが引きこもりからの第一歩であった。そして最終的な引きこもりの解決は、引きこもりからの脱出ではなく、引きこもり感情をもちつつ引きこもり者が主体的に育つことにほかならなかった。そうした柔軟な支援のあり方が求められている。