日常を。

  
青い空 映える緑 香りが舞う

どんなに

この街が うつくしく 佇んでも

わたしは 恨むことを わすれないだろう


清潔で 無理のない 心地よい家具に

囲まれたとしても


わたしの ニットは 

過去を 紡いでいる


ゆるせない、ゆるせない、が、許さないに、変わり

強い意志は 煮詰まった水分のない塊

ガラスの瓶に詰めて


手触りのよいカップの 横に

そしらぬ顔で 飾られている




研究室で手に取ってみた本、書店で手に取ってみた本。どちらも古くてあたらしいものだった。

戦争で死んだ兵士のこと

戦争で死んだ兵士のこと

佐野洋子〈追悼総特集〉100万回だってよみがえる (文藝別冊)

佐野洋子〈追悼総特集〉100万回だってよみがえる (文藝別冊)