生存権、貧困。25条は  〜 堤 未果を読む〜 

先日、唐突に母が語り、驚いたの。

 おじさんはね、トップで高校入学して、卒業もトップでね。高校の先生たちは、大学へ進学させないかと言いにきたんだよ。
 その時はめずらしいぐらいの秀才だったんだ。
 だけど、うちはお金がなくてね。名寄の自衛隊だったかな、入隊したけど何が嫌だったのか、2、3年で辞めて帰ってきた。
 その時のことは、一切語らないんだよ。
 
 母の兄は、機転のきいたおもしろいおじさんだった。小さい会社を設立したり、あちこち営業に行ったり、活動的な人で何より私たち家族をかわいがった。今は足元がおぼつかなくなったが、わたしの顔を見ると、ひと言のユーモアを忘れない。


 貧困は罪だ。核に継ぐ殺人兵器。
 今、生存するために明日死ぬ。
 貧しさから抜けられると、刺激的な条件を見せ「これでどうだ」と、疲労で満ちた心身に判断しろと追い打ちをかけてくる。


 9条が輝くのは、絡み合う各条項があるから。

 25条が脅かされている。強くつながる9条も揺らいでしまう。
 いそぎたい。つながること、学ぶこと。
 憲法を片手にもって、もう一度読む。

 憲法は戦後のひとりの人間の生き方を、記していると思う。

 

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