ひらがなと音符。


 有名なピアニストが、ひとつひとつの音符には意味が無いと言った。もうひとりの著名な演奏家が、ひとつひとつの音符には意味があると言った。函館でお世話になったリコーダーの先生から聴いた話で、音楽界では有名な論争だったらしい。

 楽譜の読み方を教えてもらいながら、音符はひらがなみたいだと思った。ひとつひとつつないで、文章になっていく。ひとつ抜けると後が続かない。逆に、ひとつにこだわると、次が読めなくなる。楽譜を読むってそうゆうことか。

 昔の作曲家は人が感じる残響音や倍音まで、科学的に組み立てたんだろうか。経験と直感力とセンス。

 リコーダーレッスンを受けながら、そんなことを考えていると、文系の音楽がだんだん理数系に思え、お互い混ざり合ってしまった。音楽は科学。科学は音楽か。それでは科学は温かいじゃないか。涙を流して感動する人間は科学的な存在ってことになるのか。

 のだめカンタービレのヒットは、やっぱり多くの人の気持ちを代弁してくれたから、だよね、やっぱり。面白いだけではあんなに売れない。カントレ、ムジカの話はとても納得した。宇宙と音楽。数字、科学、関西弁(?)。まざりあって人間らしくなる。限りなく追求できる世界。ピアノに向かうと、無限の宇宙に身を投げ出すようで、ちょっと恐くなった。

のだめカンタービレ(25) <完> (KC KISS)

のだめカンタービレ(25) <完> (KC KISS)

 リコーダーの先生は、第1回函館市民オペラ「カルメン」指揮者をされた、水上修一先生。素敵なんですよ。水上先生お薦めリコーダー奏者は、花岡和生氏。世界に飛ぶ奏者。初代NHKふえはともだちの人。自主プロダクション「トラウトレコード」は釣り好きがこうじて名付けた。以前、一緒に食事をした時、北海道の釣りは格別、と話してくれた。 
 http://homepage2.nifty.com/troutrecords/index.html