★★ 五歳の決心。★★

 札幌に渋谷ギターhttp://members3.jcom.home.ne.jp/shibuya.guitar/info/shibuya-guitar.htmという、ギター教室があります。今は、娘の渋谷環さんが継いでいます。環さんはプロで、村治香織のデビュー以前から活躍し、CMに出演していたり、たくさん若手を育てたりしています。
 数年前、友達の紹介で、まだお元気だった渋谷さん(環さんの父)とお逢いしました。「地域の幼稚園で、ぼくは真剣に演奏するよ。ぼくがプロになりたいと夢見たのは、五歳の時だったんだ。」と、話してくれました。


 子どもが五歳で何を感じているのか、それから凄く意識するようになりました。帰宅後、すぐ母にわたしの五歳頃を思い出してもらったのですが、「え〜と、ひとり遊びしてた、ああ、あれは三歳頃か。どうだったかな。」天然系の母は、なかなか思い出せず(泣)、つい最近「耳のいい子だったよ。」とやっと思い出していました。これって、思い当たるんです。すごく苦労したんです。聴こえが良すぎて、具合が悪くなったりしていました。高校の時、1年間だけ習ったピアノの先生に、「耳だけなら音大に行けるのにね。」といきなり言われて、なんだかな〜、と喜べない感じでいたのを思い出します。


 映画「崖の上のポニョhttp://www.ghibli.jp/ponyo/、宗介も五歳。彼の決心に救われた映画でした。ポニョも大人なのか子どもなのか、「女性」だったなあ。

 子ども時分の気持ちを否定して成長し、大人になっていがみ合う。自分を否定し続け、相手を殺し、自分も死ぬ。そんなふうに育っていく教育、そんな学校時代はまともとはいえない。貧困に押されて、「〜しか選択できなかった」若者が増えて行く。小さな争いは大きな戦争へと走る。
 過ごしてきたやわらかい時間こそ、新しい明日を見つける手がかり。自分で自分を育てるしなやさかさを。子どもを守る親も周囲から守られる・・・声をかけあいたいな。ほめすぎ、お世辞、表面的、そんなおべっかのオンパレードじゃなく、お互いが自己肯定に導き合える関係を、あたりまえにつくっていけたら、と思う。

発達の芽をみつめて

発達の芽をみつめて

   みんなで一緒に「貧しく」なろう―斎藤貴男対談集 (かもがわブックス)       憲法が変わっても戦争にならないと思っている人のための本