女優が舞台を降りた。談:香山リカ。
万華鏡だったか、なんだったか。
毎日だったか朝日だか。
香山さんのエッセイで、
忘れられないことばがある。ずっと前だ。
「ある女優が舞台を降りた。」
という最初のことばから始まり、舞台にいつづけて、
その場で自分を生きる、
合間を縫ってかわしながら貫くこと、を語っていた。
わたしも、そうしたかった。
女優ではないけどさ。自分の舞台で、
そうしたいと思ってた。
また、復帰するなんて。できる?
都はるみは、なんだか冴えなかったな。
輝きは戻ってこなかったな。
どうしてだろう。
何かを失って、いそいで元に戻ったけれど、
見つからないままだったのでは。
誰にも邪魔にならないはずの
小さな宝物。
抱きしめていたのに。
わたしを倒して、盗む価値があるなら。
あなたが何かを得るなら。
構わない。奪って。
だけど、
ただ、突き崩すだけのために。
それを横目でみて、笑うだけなら。
あなただって
暗闇に吸い込まれるだけなのに。
舞台には奈落がいるのか。
香山リカさんのエッセイは面白いよ。
いろんなことも上手にコメントしてる。
不十分な解釈は誤解する。
今の情報社会。バッシングだけになるし。
意味あるものを読み取る力、鋭敏さが、
わたしたちに必要かも。